Weaving Beauty with Human Hands

人の手が織りなす美しさ

 ― MUSUBISM風呂敷の物語

私たちのMUSUBISMブランドが生み出す風呂敷。その裏側には、40年にわたり伝統と技術を受け継いできた福田捺染さんの情熱とこだわりが詰まっています。機械では決して再現できない、温かみと人間らしさが息づくこの風呂敷に込められた物語をご紹介します。

福田捺染さんの伝統と技術

福田捺染さんは、親子2代にわたり受け継がれてきた家族経営の手捺染工房。福田兄弟は、40年に及ぶ歳月を捧げ、手作業で一枚一枚丁寧に染色を施しています。
まず、生地を広げる際は、色むらが出ないように細心の注意を払い、ふくらみの部分は一本一本丁寧に伸ばして整えます。次に、スクリーン(型)を生地に合わせ、秘伝の染料を用いて染色。生地にしっかりと染料を馴染ませながら、型から布へと色が移っていく瞬間には、長年磨き上げられた技が光ります。

特筆すべきは、全ての工程が職人の手によって行われるという点です。作業中、職人たちは手袋をつけず、自らの感覚と技で細部までこだわり抜いて仕上げます。その手つきは、ただの作業ではなく、まるで絵を描くかのような繊細さと情熱に溢れているのです。

「気持ちが悪い」その一瞬に宿る職人魂

染色工程が終わった後、完成した風呂敷は作業台からそっとはがされ、吊るして2〜3時間乾かされます。乾燥中、生地を吊るす紐は定規のようなものでカンカンと叩かれ、丁寧に真ん中が揃えられます。一見、真ん中に整っているように見えても、ほんのわずかなズレに対しても「なんかやらないと気持ちが悪い」と感じるその職人のこだわりが、作業の隅々にまで行き届いているのです。

この微細な部分へのこだわりこそ、機械生産では決して出せない、人間の温かみが感じられる瞬間です。職人がひとつひとつの工程に情熱を注ぎ、細かい違和感をも見逃さずに仕上げることで、風呂敷にはただの布以上の物語と命が宿ります。

手作業ならではの魅力

大量生産品では味わえない、一点一点手作業で仕上げられる風呂敷。熟練の技と、ほんの僅かな「気持ちの悪さ」すらも大切にする心。これらが合わさることで、MUSUBISMの風呂敷は唯一無二の存在となっています。触れたときに感じる柔らかな手触り、目に映る丁寧な染色の美しさ、そのすべてが職人の長年の努力と伝統の証なのです。

伝統工芸を日常に

福田捺染さんの手作業が生み出す風呂敷は、単なる布ではなく、伝統工芸の息吹と、作り手の情熱を感じることができるアートピースです。機械に頼った大量生産品とは違い、どこか温かみを感じるその仕上がりは、使う人の日常にひとつの特別な瞬間をもたらしてくれます。

MUSUBISMの風呂敷を手に取った瞬間、あなたはただの布を手にしているのではなく、40年にわたる職人の歴史と情熱、そして細部にまで行き届いた手作業の美しさに触れることでしょう。


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