True Knot and a Thoughtful Way of Living

真結びと丁寧な暮らし

ふろしきを美しく使う時は、結ぶ所作に気を付けるようにしています。
真結びがきちんとできていると、そこに気持ちや目的が宿ります。
この結びは、知っている人なら正しく解くことができます。
互いへの安心につながる結びです。

真結びは、ふろしきと深く関わる基本の結び方です。
包んだ物を守るための結びであり、物を大切に扱う姿勢にもつながります。
長く続いてきた日本の暮らしの考え方が、この小さな動きに集まっています。

茶室にある道具の棚を見ると、どのお道具もきれいに仕舞われています。
お仕覆に包まれた道具は、次に使われる時を静かに待っています。
その姿を見ると、扱う時に自然と気を配るようになります。

結ぶという動きは、暮らしの中にたくさんあります。
靴ひもを結ぶ動きを思い浮かべる方も多いと思います。
子どもに靴ひもの結び方を教える時、いい加減に教える人はいません。
こうした小さな積み重ねが、丁寧な暮らしを形にします。

私も「誰も見ていない時の行動がその人を作る」という言葉を聞いた時、はっとしました。
そこから意識を変えました。
以前はコンビニでペットボトルの飲み物をよく買っていましたが、今はできるだけ水筒を持って行くようにしています。
小さな選択が暮らしを整えてくれると感じています。

ふろしきは、結ぶことで形が変わる道具です。
結んだ瞬間に、包む前とは別の役割が生まれます。
その動きには、先人への敬意があります。
ふろしきを扱う時、私たちは昔から続く暮らしの知恵に触れています。

使い捨てが増えた今の時代だからこそ、結んで使うふろしきの価値があります。
一枚の布を繰り返し使う暮らしは、ゆっくりとした丁寧な時間を育てます。
どなたでもできる小さな習慣です。
その積み重ねが、自分の内側を整えるきっかけになります。

ふろしきは特別な物ではありません。
日々の中で静かに力を発揮する道具です。
結ぶという行為が、あなたの暮らしに落ち着きを生むことを願っています。

ブログに戻る