昨日、クライミングに行った際のロープ捌きから学んだことをシェアしたいと思います。クライミングにおいて、ロープは命を結ぶ紐です。その紐にはまるで血液が流れているかのような生命力が感じられます。
クライミングの技術は練習を重ねれば向上しますが、ロープワークにはその人の人柄が現れます。丁寧かつ慎重に扱うことができる人は、何事においてもそうであることが多いです。これは、ものを大切に扱う人は、人も大切にしていることと同じです。
自分に知識や技術がない時には、こうしたことはあまり目に見えないかもしれません。しかし、経験を積み、少し余裕が出てきた時、そういったことが徐々に見えてくるものです。
クライミングでは、パートナーとロープで結ばれ、呼吸を合わせて登っていきます。ロープはまさに生き物そのものであり、丁寧に扱わなければ絡まり、引っかかってしまいます。 マルチピッチクライミングでは50〜60メートルものロープを2本つけて登っていきます。それが一度絡むと大変で整えるのには時間がかかり、木や岩に引っかかると取り返しのつかないことになることもあります。
例えば、ロープワークを疎かにして適当に扱うと、後でしっぺ返しがきます。実際に、ロープを適当に片付けた結果、次の登攀時に絡まり解くのに時間を要したことがあります。
また、良きクライミングパートナーとなるためには、お互いの信頼を築くために丁寧な時間を重ねることが重要です。信頼関係が築かれることで、安心してクライミングに集中できるようになります。この経験を通じて感じたのは、ロープ捌き一つでその人の心が見えるということです。道具やものを大切に扱うことは、他人や自分自身を大切にすることに繋がります。クライミングを通じて、心の形がどのようにものに現れるのかを実感しました。
また、クライミングが好きな人は丁寧さや心配りを好む傾向があるようです。クライミングは、細かな計画、技術、そしてパートナーとの信頼関係が重要です。これらの要素が揃って初めて、安全で成功する登攀が可能となります。心理学の研究によると、クライミングを好む人々は自己肯定感が高く、注意深く計画を立てる傾向があります。これは、日常生活でも同様に丁寧さや心配りを大切にする理由の一つと言えるでしょう。
さらに、クライミングではロープを介してパートナーとコミュニケーションを取ることが求められます。離れたところにいるとお互いの声がきこえない。ロープのテンションを感じることや引っ張ることで、お互いの動きや状況を把握することができます。このようなロープを介したコミュニケーションは、言葉では伝えきれない情報を共有する手段となり、クライミングの安全性と効率を高めます。ロープで結ばれているんです。
この考え方は、日常生活にも通じるものです。私たちが触れるすべてのものに対して、丁寧に、そして心を込めて接することが大切だと改めて感じました。