バッグに一枚の安心。ふろしきで荷物を束ねるということ。
朝、今日の気分に合うふろしきを一枚選び、たたんでバッグに入れます。
使うかどうかは分かりません。それでも入れておくと、どこか安心するのです。
今年も初釜にお招きいただき、参加しました。
お茶室に入る前に、まず身支度を整えます。
大勢の方がいる中で空いている場所を探し、道行を脱ぐ。
膝の上で静かに畳み、忘れがちですが足袋カバーも外します。
どれも、そのままでは置きにくい物ばかりです。
ふろしきを広げ、重ねるように包む。
ひとつにまとまった荷物を棚に置き、襖を開けて席入りします。
和室は不思議な場所だと思います。
物が少ないほど、空間が落ち着いて見える。
そう感じるのは、私だけでしょうか。
別の日に、お寺へ瞑想に出かけました。
服装は気楽なものです。スエットにダウンコート。
着物ではありませんが、状況はよく似ていました。
本堂の脇に荷物を置きます。
コートはかさばりますし、直接置くのはためらわれます。
大きめのふろしきを広げ、コートと小物を包みました。
ふろしきに包むと、形が整います。
見た目というのか、視界というのか。
周りとの関係も、少し落ち着くように感じます。
自分のもの。
自分の居場所。
それが、少しはっきりする感覚です。
瞑想が終わり、結び目をほどいて、帰り支度を始めました。
ふろしきは便利な道具です。
それ以上に、区切りを作る道具だと感じています。
脱ぐ。
畳む。
包む。
結ぶ。
その一連の動作で、気持ちが切り替わります。
特別な日も、何気ない日も。
気分によって、ふろしきを選ぶ。
使うかどうか分からなくても、
私はこれからも、ふろしきをたたんでバッグに入れる派です。