Furoshiki is a choice.

風呂敷という選択

私は月に一度、着物の「着こなし講座」のお稽古に通っています。

着付けそのものだけではなく、着物のコーディネートや着こなしについて学んでいるのです。

普段は近所の師匠宅でお稽古をしていますが、定期的に反物が並ぶ呉服屋さんへ行くことがあります。

上質な商品を実際に手に取り、コーディネートを組ませていただけることも、私にとって大きな楽しみです。

真夏の暑さの中、着物で移動するには、それなりの工夫が必要です。

7月、8月は「薄物」と呼ばれる、透け感のある着物を着ます。

絽、紗、羅など、素材にもさまざまな種類があります。

何を着るか。
どの帯を合わせるか。
帯揚げや帯締めをどうするか。
そして、暑さの中でどう快適に過ごすか。

着物は、着ることにも、着こなすことにも、コーディネートにも、それぞれ工夫が必要です。

これまでたくさんの着物姿を見てきました。

その中で、着こなしに自分らしさを見出せている人は、少ないように思います。私もまだまだです。

そして着物を着れば、誰でも美しく見えるものではないのです。

自分の好きな色と、自分に似合う色は違います。

その違いは、着物のように顔の近くに大きな面積で色がくるものほど、はっきり表れます。

着方によっては、老けて見えたり、着膨れして見えたりすることもあります。

私自身、「着物を着ると太って見える」ことが気になっていた時期があります。

着物は直線裁ちが基本なので、身体の丸みを補正し、全体を寸胴に近づけることが美しい着姿の基本です。

私はウエストが細く、バストやヒップに丸みのある体型なので、補正が必要になります。

けれど、私はこの補正があまり好きではありませんでした。

着物を美しく着るために、自分の身体を着物に合わせていく。

そのことに、少し違和感があったのだと思います。

だからこそ、着物には工夫が必要なのだと、今では思います。

一日で身につくものではありません。

着て、試して、失敗して、また工夫する。

その繰り返しの中で、自分に似合う着方が少しずつ見えてくる。

そう考えると、着物を着ることは、単に昔からの装いを受け継ぐことではなく、自分自身の美意識を育てていくことなのかもしれません。

洋服なら、サイズも豊富です。

着る手間も少なく、自分に合うものを選べば、すぐに出かけられます。

私も洋服が好きです。

スティーブ・ジョブズが、服を選ぶことに時間を使いたくないという理由から、毎日の服装を定番化していたという話も有名です。

効率を考えれば、それもひとつの選択です。

けれど私は、最近、あえて「選ぶこと」や「工夫すること」に価値を感じるようになりました。

何を着るか。
何を合わせるか。
どう見せるか。
どう使うか。
そして、どう自分らしくするか。

その小さな選択の積み重ねが、その人の生き方につながっていくように思うからです。

そして、ここで私は風呂敷にも同じことを感じます。

I Choose Furoshiki.

私は、風呂敷を選びます。

風呂敷には、決められた使い方がありません。

包むものに合わせて、大きさを選ぶ。

用途に合わせて、結び方を変える。

持ち方を変える。

ときにはバッグにする。

ときには贈りものを包む。

一枚の布が、結び方ひとつで違う形になります。

そこには、使う人の工夫が生まれます。

そして、その工夫には、その人らしさが表れます。

着物も風呂敷も、最初から完成された形を与えられるものではありません。

自分で選び、自分で整え、自分で結ぶ。

その過程で、Creationが生まれる。

だから私は、風呂敷を選びたいと思っています。

環境に配慮できるから。
日本の伝統だから。

もちろん、それも風呂敷の大切な魅力です。

けれど、それだけではありません。

「私は、これを選ぶ。」

そう自分で決めること。

そして、自分なりの使い方を見つけること。

そこに、風呂敷の面白さがあります。

着物も、風呂敷も、少し手間がかかります。

だからこそ、そこに愛着が生まれる。

だからこそ、大切に使いたくなる。

素材にも、それぞれの選択があります。

私は、職人が一枚一枚手捺染で仕上げる、綿の風呂敷が好きです。

布の風合い。
染めの表情。
職人の手仕事。

触れたときに感じるものがあり、使うほどに愛着が深まっていく。

だから私は、手捺染の綿の風呂敷にこだわって作っています。

一方で、海外では再生ポリエステルを使った風呂敷も見られます。

使い終えたものを再び素材として生かす。

そこには、ものを捨てるのではなく、もう一度資源として循環させようという考え方があります。

綿には綿の良さがあり、再生ポリエステルには再生ポリエステルの良さがある。

どちらが正しい、ということではないと思っています。

大切なのは、それぞれの素材の特徴や背景を知ったうえで、自分が使うものを選ぶこと。

暑い日に何を着るか。

どんな帯を合わせるか。

どんなバッグを持つか。

その日の自分に合わせて選ぶように、風呂敷も、その素材や色、柄、使う場面に合わせて選んでいい。

「これが正解」ではなく、

「私はこれを選ぶ。」

その選択の中に、その人の感性が表れるのだと思います。

茶道でも、着物でも、風呂敷でも、私は本物に触れる経験を大切にしています。

本物に触れることで、ものの背景を知る。

つくった人の手を感じる。

そして、大切に使いたいという気持ちが生まれる。


特別な日のためだけではなく、日々の暮らしの中で、自分に合ったものを選んで使って欲しいです。

大切なのは、誰かに決められた正解ではなく、自分で選ぶことなのだと思います。

ふろしきの使い方を選ぶ。

結び方を選ぶ。

素材を選ぶ。

色や柄を選ぶ。

そのひとつひとつに、自分の感性を重ねていく。

私は、そんな暮らし方が好きです。

だから私は、風呂敷を選びます。

あなたなら、どんな風呂敷を選びますか。

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