春の行楽のいちばん好きな時間
春はお出かけしやすい季節です。
遠足。お花見。少し歩いて、少し座って、風が心地よい。
そんな日に私がいちばん好きなのは、お弁当やおやつの時間です。
理由はシンプルで、一息ついてホッとするからです。
歩くのをやめて、肩の力が抜けます。
声のトーンが柔らかくなります。
笑い方も自然になります。
自分がリラックスしていると、周りの人も同じ空気に入る。
だから安心します。
和やかな食卓がいいのは、心の輪郭がそのまま見えるからです。
誰が最初にお茶を注ぐか。誰が取り分けるのが好きか。
甘いものを見て顔がゆるむ人。しょっぱいものを選ぶ人。
食べる早さ。好みの話。
最近の出来事。家での定番。
こういう話は重くありません。
だからこそ本音が混じります。
相手の大切にしているものが、ちらっと出ます。
私は、そういうところが好きです。
和やかな食卓は、場が落ち着く場所です。
落ち着いた空気の中では、相手のことを受け取りやすくなります。
自分のことも、話しやすくなります。
安心があると、人は優しくなります。
優しさが続くと、信頼が育ちます。
信頼は、ご縁を長くしてくれます。
ご縁は、小さな思いやりの連続で強くなるのかなと思います。
春の行楽は、景色が明るい。気温もやわらかい。気持ちが開きやすい。
だから、お弁当の時間が生きます。
お花見のシートの上で、遠足のベンチの上で、みんなが一息つく。
その数十分に、普段より深い会話が混じることがあります。
風呂敷は、その時間をきれいに運ぶ役です。
お弁当を包む。おやつを包む。広げて敷く。食べ終わったら、また包む。
目立たなくていいけれど、場を整える力があります。
包むという動作には、丁寧さが出ます。
その丁寧さが、そのまま空気になります。
私は春になると、風呂敷を一枚バッグに入れます。
お弁当のためというより、一緒にいる時間を大切にしたい気持ちのスイッチとして持ちます。
あなたにも、好きな休憩の形があるはずです。
コーヒーでも、お茶でも、おやつでも。
春の行楽で、その時間を少しだけ意識してみてはいかがでしょうか。