
包結道 — 風呂敷が教えてくれた、私のセルフディベロップメント
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包む。結ぶ。日々、心を整える。
風呂敷と向き合う中で、私はただの技術ではないものを感じるようになりました。茶道の型や精神性、ビジネスで日々学ぶ「日々の小さな気づき」、そして風呂敷と過ごす時間は私にとってのたからもの。それらすべてが重なり合い、今私は「包結道(ほうけつどう)」という新しい生き方を歩み始めています。
「道」としての風呂敷
日本には、茶道、花道、剣道、柔道など、「道」と名のつく文化があります。そこには、単なる技術の習得を超えた、心を磨き、人生そのものを豊かにする精神が息づいています。日々、同じことを繰り返すように感じることの中に、少しずつ、成長していく過程があると思います。そんな道の在り方が、風呂敷の所作にも宿っていると私は感じるようになりました。
茶道が教えてくれること
私はまだまだ未熟者ですが、茶道に親しんでいます。都会の喧騒を離れた静かな空間の中で、お点前の一つ一つの型をなぞり、心を整える時間は、日常とは違うリズムを私に与えてくれます。とても良い経験をさせていただいてると思います。
けれど、そこには小さな葛藤もあります。
正座が苦手な私の葛藤
私は足首の怪我で手術をしており、長時間の正座が得意ではありません。お点前の途中で足のしびれを感じた瞬間に…気が散ってしまうことも多々あります。悲しいかな、「早く終わらせたい!」とそんな風に思ってしまうこともありました。動けなくなり、モゾモゾしていると、先生は必ず、
「無理しないでしっかりと直してから、立ち上がりなさい。」とおっしゃってくださいます。
そして、その言葉にいつも私は救われるのです。
集中できないのは足のせいだろうかと自問自答しながら、今できることに心を込めることの大切さに気付かされます。足が治らないと何も始まらないのです。
痛みがある日も、うまくいかない日も、それも含めて、自分。受け入れて向き合う。それが、茶道を通して得られている、とても大切な学びです。
ビジネスが教えてくれたこと
茶道と同じように、ビジネスでも、私は日々たくさんの人たちと一緒にものづくりに取り組んでいます。
私はついつい、
「もっと良くできるかもしれない」
「こうしたらもっと素敵になるかもしれない」
と、いろんな可能性を探したくなるタイプです。
ケーキで言えば、色とりどりのフルーツがぎっしりのったもの。お弁当で言えば、松花堂弁当のように、一品一品が丁寧に詰められているもの。
バリエーション豊かで、心をくすぐるものが好きです。
そんな私ですから、ものづくりの場面でも、いつか思いもよらない提案や自分では気づかなかった工夫に出会えることを、密かに楽しみにしています。
期待を手放してみる
そういうとき、ふと茶道での学びを思い出します。相手に期待しすぎるのではなく、まず、自分の心を整えること。できることを精一杯やり、あとは、結果を静かに受け入れる。
「自分にできることに心を込める。」
それが、私が日々意識していることです。そうしていると不思議と良いことしか起きないのです。
包結道 — 私が歩んでいる道
風呂敷を広げ、ものを包み、結ぶ。そのシンプルな動作の中には、集中、丁寧さ、心配りが込められています。何度も繰り返しながら、少しずつ、心を整え、技を磨いていく。私はこの道を「包結道(ほうけつどう)」と呼んでいます。
それは、ものを包み、心を結び、日々を丁寧に生きる道だなと勝手に。
失敗してもいい。思い通りにいかなくてもいい。大切なのは、今日の自分にできることに、心を込めること。
日々是風呂敷♡
私はこれからも、静かに、着実に、この道を歩み続けたいと思います。