Pojagi of Korea and Japanese Furoshiki: Cultural and Symbolic Differences

韓国の「ポジャギ」と日本の風呂敷文化:包む結ぶ心の違い

先日、韓国の伝統的な布「ポジャギ(褓子器)」のワークショップに参加してきました。ポジャギとは韓国語で「ものを包んだり覆ったりする布」という意味があり、日本の風呂敷と同じように使われます。日本では「韓国のパッチワーク」として紹介されることが多いですが、韓国の繁華街にあるレストランやカフェでタペストリーとして飾られていたり、お土産としても販売されています。きっと「名前は知らなかったけれど見たことがある」という日本人も多いでしょう。

ポジャギは朝鮮半島で約1500年の歴史を持ち、高句麗の壁画にも描かれているという伝統的な布です。寒冷な気候のため、部屋は狭く作られ、家具を置く代わりに布団や身の回りのものをポジャギに包んで整理したり、壁に掛けたりして生活していました。このような生活様式から、ポジャギが発達したといわれています。

私は風呂敷を日本の文化として捉えていますが、ポジャギも同様に「文化」そのものだと感じました。

前職では韓国に出張することが多く、焼肉でおもてなしされることがよくありました。韓国の焼き肉は必ずサニーレタスやサンチュに「包んで」食べますし、刺身やキムチ、ご飯など数種類の料理を葉物に包んで食べる「サムパプ」という料理もあります。「サム=包む」という単語が多く使われています。例えば「サムギョプサル」や「サムパプ」の「サム」は「包む」、パプは「ご飯」という意味です。「ポッサムキムチ」も有名で、「ポッ」は韓国語で「福」と同音でポジャギの「ポ」。つまり、「ポッサム」は「福を包む」となり、「ポッサムキムチ」はおめでたい料理です。

考えてみると、韓国には「包む料理」がたくさんありますね!

韓国の時代劇を注意深く見ると、数々の美しいポジャギを目にすることができます。王宮だけでなく庶民の間でもさかんに作られ愛用されてきましたが、朝鮮戦争など国内の混乱により消滅の危機に遭いました。現在はおばあちゃんが作った古いポジャギはほとんど家庭内に残っていませんが、手芸として復活し、文化として認められるようになったのはここ10~15年のことです。日本でも「ポジャギ教室」に通う人が増えており、韓流ブームも後押しとなって、風呂敷よりもメジャーなものになっています!

一方、日本で「包む料理」を思い浮かべるのは難しいですが、「結ぶ料理」は多い気がします。おにぎりは日本のソウルフードですが、「包む」というより「結ぶ」料理ではないでしょうか。ご飯を海苔で巻いて食べるのものですが、「おにぎりを結ぶ」と表現しますよね。「おむすび」と呼ぶ地域も多いです。また、昆布巻きやお吸い物に使われる三つ葉も「結ぶ料理」として思い浮かべる方が多いでしょう。

「おむすび」という言葉の語源は日本神話の「神皇産霊神」からきているといわれ、「神事に用いられるのがおむすび(御結び)」、食用が「おにぎり」と区別している地域もあります。東日本と西日本で呼び方が違うとも聞いたことがあります。日本人の産霊信仰を論じた折口信夫も、水をすくうことを「水をむすぶ」と表現し、「むすび」とは水の中の霊魂を体に入れて培うことだとしています。考えてみれば、日本にはしめ縄や慶弔袋の水引き、組みひもなど「結ぶ文化」が多いです。「息子」や「娘」の語源も「結ぶ」という言葉に関係していると額田巌さんの本で読んだことがあります。

日本と韓国は同じ風呂敷の文化を持っていますが、日本は「結ぶ」方に、韓国は「包む」方に精神的な拠り所があるように感じます。同じ床に座って生活していた国同士ですが、それぞれ違いがあって面白いですね。

私は韓国もポジャギも大好きですが、日本人として風呂敷を推します。そして風呂敷も伝統や型に縛られず、もっと自由に楽しむべきだと思いました!

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